心臓超音波検査
心臓超音波検査とは
心エコー図検査とは、超音波を使用することで心臓の解剖学的形態や心機能、心負荷を評価する画像診断法です。即時に評価が可能なため、現在では循環器疾患の診療において欠かすことのできない検査法の1つとなっています。また、心臓以外の手術に対する術前のスクリーニング目的にも多く利用されております。
当院の心エコー図検査室では、熟練した臨床検査技師が超音波探触子を直接胸壁にあて無侵襲で心臓を観察する経胸壁心エコー図検査法(TTE)のほか、医師が胃カメラの様に超音波探触子を口から挿入し経食道的に心臓を観察する経食道心エコー図検査法(TEE)を行なっております。どちらの検査も心エコーの専門医師による読影を全症例において行っており、常に質の高い心エコー図検査を提供することができます。
特に、本邦では大動脈弁狭窄症や僧帽弁閉鎖不全症に対するカテーテル治療が弁膜症治療の Standard therapy となりつつあることから、弁膜症症例における診断および治療方針の決定には心エコー図検査が非常に重要な評価法であり不可欠なものとなっております。
検査の種類
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01
経胸壁心エコー図検査:TTE
経胸壁心エコー図検査は、超音波の探触子(小さなマイクぐらいの大きさです)を胸壁にあてて観察するだけなので苦痛はありません。基本的な評価として、心臓の2次元断層像であるBモード法と、心臓内の血流や弁などを定量評価できるドプラ法があります。Bモード法では、心臓の解剖学的構造と動きを高い時間分解能をもってリアルタイムで観察できます。また、ドプラ-法では、血流の方向性をカラー表示することが可能であるほか、狭窄した弁の弁口面積や重症度を評価することができます。
また、当院では運動負荷心エコー図検査法も行っており、肺高血圧症の早期診断や虚血性心疾患の有無、弁膜症や心筋症の重症度評価に大変役立っています。 -
02
経食道心エコー図検査:TEE
経食道心エコー図検査は、胃カメラのように超音波探触子を口から挿入し、食道や胃から直接心臓を観察することが可能です。そのため、経胸壁心エコー図検査のように肺や肋骨等により見えにくい場合でも、経食道心エコー図検査法を施行することで、明瞭かつ詳細な形態評価が可能となります。つまり、本検査法は、心疾患の治療方針の決定や術前評価、脳梗塞の原因となる血栓の評価などに大変有用です。
さらに、近年では経食道心エコーによるリアルタイム三次元(3D)エコー法は、弁膜症や先天性心疾患(Structural Heart Disease)、診断・治療のガイドとして必須な検査となっております。